福島第一原発の廃炉はどうなっているのか?

2016/10/18 開沼博×粥川準二×吉川彰浩『福島第一原発廃炉図鑑』出版記念トークイベント 

「問題の重心は「汚染水対策」から「燃料取り出し」へと移りはじめています。

では、燃料取り出しとは何なのか。事故を起こした福島第一原発1-4号機の中にある燃料を取り出すその作業は2つに分けられます。事故時に「使用済み燃料プール」の中に入っていた、溶けていない形状を維持している燃料の取り出しと、原子炉のなかで溶けてしまった「燃料デブリ」の取り出し。この2つです。

この2つの作業が福島第一原発廃炉プロセスの一番の壁です。特に、「使用済み燃料プール」の中の溶けていない燃料よりも、溶けてどろどろになってしまった「燃料デブリ」の取り出しが難関です。さらに、取り出せば終わりではないことも理解しておかなければなりません。

これまでの議論は、あまりにこの点に無自覚でした。これらの燃料を全部、あるいは一部になるのか取り出せたとして、それをどこでどう処理・処分するのか。このことこそが、最後まで残る、極めて難しい課題です。「燃料デブリ」は技術的に難しい、という話ですが、取り出した燃料の処理・処分はそういったプロセスの全体像を見据えて、いまから議論していかなければなりません。

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